S.H.Figuarts 仮面ライダー新1号


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S.H.Figuarts 仮面ライダー新1号

「仮面ライダー」の名を告げられ、即座に思い浮かぶその姿は何であろうか? 〈始まりの男〉――いわゆる“旧1号”か? それとも『仮面ライダー』の番組的人気を決定づけた“旧2号”か? はたまた多彩な客演実績を積んだV3か、異形の仮面ライダーとして絶大なインパクトを残したアマゾンか……? そこは、約半世紀もの長きにわたって支持を集めてきた特撮ヒーローの雄・仮面ライダーである。時代ごと、世代ごとに千差万別のイメージが植え付けられていても不思議ではない。
 それでも今なお色褪せることなく、圧倒的な存在感を放つ唯一無二の「仮面ライダー」を挙げるとするなら、やはりそれは“帰ってきた本郷猛”に象徴されるパワーアップ型の仮面ライダー1号――通り名“新1号”と言えるだろう。
 見目も鮮やかなライトグリーンのマスクに、シルバー塗装にリニューアルされたグローブ&ブーツ、体側部に輝く銀色の2本線……。“新1号”の具えるヒーロー像は、『仮面ライダー』人気の上昇に寄与した2号の力強さを継承しつつも、より精悍でアグレッシブなスタイリングを突き詰めて生み出されたものであった。
 ここで往時の“仮面ライダーファン”が最も慣れ親しんでいた媒体を思い出して欲しい。それは……ポピーのおもちゃや、講談社の月刊誌『テレビマガジン』などもあっただろう。だがそれ以上に、何よりカルビー「仮面ライダースナック」のおまけカードこそ、当時のライダーファンが希求してやまなかった最大にして最新のメディアだったはずだ。その当時のカルビー担当者の言によれば、「通算でいうと新カード(106番~)以降の発行枚数が圧倒的に多い。おそらく全体の95%以上がそれに当たると思う」とのこと。つまり、わたしたちが最も身近に接していた仮面ライダーのイメージとは、〈106番以降のライダーカード〉――すなわち、パワーアップした“新1号”の姿だったわけである。
 そして、その完成形にして真骨頂と言えるのが、第70話から登場したリニューアルスタイル版の通称“後期新1号”。ボクサー経験を持つ大野剣友会の新鋭・大杉雄太郎がスーツアクターを務めていたそれは、胸のコンバーターラングの改修効果以上に、筋骨隆々としたライダー本来の力強さを体現。図らずもそのビジュアルは、幾多の試練を乗り越え、俳優としての円熟味を増しつつあった本郷猛役・藤岡弘、による迫真の演技性とあいまって、観る者の多くに頼もしき“新1号”のイメージを植え付けることになった。
 それは講談社を始め、秋田書店や朝日ソノラマなど、当時の主要出版社がこぞって随行・撮影したことで、一躍“新1号”のメジャービジュアルとして露出頻度を増した第72・73話の“南紀ロケ編”のスチール群とも決して無縁ではなかろう。
 振り返れば、初夏から晩秋にかけ、最も陽光の照り返しが眩しい時期に撮影された“後期新1号”。そのパール塗布を増したメタリックグリーンマスクの輝きは、私たちに生涯忘れ得ぬ、最終決戦へと臨む“新1号”の雄姿を刻み付けたのである。

 執筆・原型アドバイザー:高橋和光(タルカス)

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    ▲同じ真骨彫製法の平成仮面ライダーの設計データとも対比しつつ、昭和仮面ライダーとしての理想的なプロポーションが追求された。
  • 表面からではなく骨格から造形を行い、ヒーロー本来の“存在感”とフィギュアとしての“自然な可動”の両立を追求した新製法、「真骨彫製法」。これまで、「仮面ライダーカブト」を皮切りに「響鬼」、「クウガ」……といった平成仮面ライダーシリーズをモチーフにラインナップが展開されてきた が、そこへ満を持して昭和仮面ライダーが参戦することとなった。第1弾は初代『仮面ライダー』より、圧倒的人気を誇る「仮面ライダー新1号」だ。 原型製作は、これまでも真骨彫製法を手掛けてきたGB2・長汐響氏をはじめとする歴戦のクリエイター。 平成仮面ライダーと昭和仮面ライダーとの「骨格・頭身の違い」や、時代により変わってきた「スーツ造形の質感」、さらには歴史を重ねる中でファンの脳裏に醸成されてきた「記憶の中のイメージ」までも意識しつつ、絶妙なバランス調整が幾度となく加えられていった。

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「骨格から造形する」とは、文字通りに仮面ライダー新1号を人体として想定した骨格(改造人間としてのそれではない)を造形するところから始まる。当時のスチル資料などを丹念に検証し、平成仮面ライダーとは異なる頭身バランス、関節位置等を読み解き、それを骨格に落とし込むのである。その上に筋肉を造形し、さらに仮面ライダーのスーツを造形し重ねてていくことで、より自然な人体の存在感が生まれる。

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  • これまでのS.H.Figuarts 真骨彫製法の各アイテムと同様、原型製作に当たっては、手作りの造形技巧と、それを3Dスキャンしたデータとが交互に駆使された。
    当時のスーツを、非対称な歪み形状に至るまで検証を重ねて造形。さらに頭部の複眼は、クリアパーツの裏面に細かな凹凸がある多重構造を3D設計で再現。アナログとデジタルのミックスにより、小スケールながら妥協のない立体造形が完成するのだ。

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※解説内の各試作画像は、開発途中段階のものです。実際の商品形状・パーツ分割とは異なります。


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©石森プロ・東映