Interviews & Articles 第42回 「ウルトラマンの日」記念特別対談 樋口真嗣 × 原口智生 ULTRA-ACTを語る

魂の骨格 第42回 「ウルトラマンの日」記念特別対談 樋口真嗣 × 原口智生 ULTRA-ACTを語る

対談ダイジェスト動画 / 4分55秒 (クリックすると再生が始まります)

樋口真嗣
×
原口智生
「ローレライ」「日本沈没」監督
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」新作画コンテ
  「ウルトラマンメビウス」監督
平成ガメラシリーズ怪獣造形

 

『ウルトラマン』第1話が放映された1966年7月17日。その一週間前の7月10日は「ウルトラマン前夜祭ウルトラマン誕生」という番組PRイベントがTV中継され、この日はウルトラマンが初めて視聴者の前に姿を表す歴史的瞬間となった。そして7月10日は現在「ウルトラマンの日」として認定されている。

やがて46年の月日が流れた2012年7月。ウルトラマンファンのみならずアクションフィギュアファンが待ち望んだ世界一よく動くウルトラマンアクションフィギュア「ULTRA-ACT ウルトラマン」がリリースとなる。

そこで今回は「ウルトラマンの日」特別企画として「特撮博物館」のスタッフである樋口真嗣氏と原口智生氏をお招きし、お二人に「ULTRA-ACT ウルトラマン」に触れた感想や博物館の見どころなどを語っていただいた。

※この対談の続きは、2012年7月24日売り号「フィギュア王」誌面にも掲載予定です。ぜひご覧ください。

 

──まずは「ULTRA-ACT」に触れた感想をお聞かせください。

魂の骨格 第42回 「ウルトラマンの日」記念特別対談 樋口真嗣 × 原口智生 ULTRA-ACTを語る
「新しいULTRA-ACTは動かし心地も全然違いますね。気持ちよくキマります」
樋口真嗣 

樋口 友達に貸してもらったことはありましたが、じっくりと触るのは今回が初めてですね。・・・凄いですね。いや本当に凄いと思います。

原口 僕は初めて拝見しました。『メビウス』をやっていたころにポピニカをいただいたくらいで、最近のオモチャってあまり買ってなかったので。

樋口 アンドロメロスが商品化されているのには驚きましたね。出す順番として「ここに行くの!?」って(笑)。

原口 そう言えば80とかいないのに、突然メロスだもんね(笑)。

樋口 あのウルトラ兄弟を放っておいて、もっと外側のキャラクターから攻めくるとはね(笑)。

原口 ウルフとマルスは出さないんですか?メロスとウルフの撮影用スーツは自分も手伝っていて、マルスに関しては完全に自分が任せてもらっていたんですよ。なので思い入れもけっこう深いので。

 

──そして最新作である「ULTRA-ACT ウルトラマン」の
感想はいかがでしょうか?

樋口 前回の進化版なんですよね?・・・逆に今売ってるものは買っておかないとなくなるってことですか(笑)。

原口 以前は背中を曲げるとこんなにスカスカだったんですね。最新の商品は目の表現も全然違うんですね。

樋口 ここまで首が真上に向くんですか!?凄いな・・・。

原口 本物のスーツは絶対に向けないよね(笑)。

樋口 動かし心地も全然違いますね。やはり新しい方が気持ちよくキマります。あと壊れないのが良いですね。昔の可動フィギュアはよく股関節が外れて、その度に頑張って自分で直していましたから。

原口 よく脱臼してたよね(笑)。昔のオモチャって「これ以上動かすと壊れるかもしれない」というギリギリのところで遊んでたけど、当時はその生っぽさが良かった気がする(笑)。

樋口 わかります(笑)。

原口 ここまで動くと、たとえば" 初代ウルトラマンはこんな(猫背)ポーズで飾らないとダメ "とか、遊ぶ側のセンスも問われてしまうよね。

魂の骨格 第42回 「ウルトラマンの日」記念特別対談 樋口真嗣 × 原口智生 ULTRA-ACTを語る
「ここまでポーズがとれると、可動フィギュア特有の関節も気にならなくなります」
原口智生
 
魂の骨格 第42回 「ウルトラマンの日」記念特別対談 樋口真嗣 × 原口智生 ULTRA-ACTを語る

──『ウルトラマン』放映時にはなかった" 可動フィギュア "というスタイルをどう思われますか?

原口 ウルトラマンはロボットではないので、商品化したときに関節が剥き出しだと違和感を感じる人もいますからね。でも、この商品はここまでポーズがとれるのなら、そのような理屈も越えて気にならなくなりますよね。

樋口 あと、こういうオモチャってよく付属品を無くすので困るんですよ。付属品を収納する基地みたいなヤツもできれば欲しいですね。ジャンボマシンダーの無敵城のように。

原口 ここにある部品をバラバラにしたら、どれがどの手首か絶対に分からなくなるもんね(笑)。

魂の骨格 第42回 「ウルトラマンの日」記念特別対談 樋口真嗣 × 原口智生 ULTRA-ACTを語る

──もし子供のころにこの商品が発売されていたら、お二人はどのように遊んだと思いますか?

樋口 せっかく関節がここまで動くのだから、動いているところを撮りたくなったでしょうね。

原口 うん、写真とかじゃなくてね。

樋口 絶対に「コマ撮り」とかやりますよね。そして失敗する気がする(笑)。
動画サイトにアップしてる人とかいないんですか?あ、やっぱりいるんだ。

原口 僕もコマ撮りを考えるかもしれないけど、実際には遊んで終わっちゃいそうな気がする(笑)。

樋口 こういうのって金持ちの友達は持ってるけど、自分の親はなかなか買ってくれないんだよね。
「みんな持ってるのに!」って訴えると「みんなって誰?」って言われてしまう(笑)。

原口 あと子供って絶対に首をすげ替えたりするよね(笑)。

樋口 やるやる(笑)。必ずキメラみたいのを作る(笑)。

正式名称は「ストップモーションアニメーション」。
被写体を少しずつ動かしながら1コマづつ撮り、あたかも動いているように見せる撮影技法。

魂の骨格 第42回 「ウルトラマンの日」記念特別対談 樋口真嗣 × 原口智生 ULTRA-ACTを語る

──「ULTRA-ACT」をお二人の仕事に活用できたりはしませんか?

原口 僕も樋口っちゃんもそうなんだけど、特撮現場では次のシーンをどう撮るか決めるとき、こういうオモチャを使って考えるんですよ。あと合成カットのテストをするときのを撮るときのダミーに使えますね。

樋口 コンテを描くときのポーズ人形にも使えますよね。

──「ULTRA-ACT」シリーズで商品化を希望する
キャラクターはありますか?

魂の骨格 第42回 「ウルトラマンの日」記念特別対談 樋口真嗣 × 原口智生 ULTRA-ACTを語る

樋口 それはやはりグドンとツインテールですよ?

原口 いいよね、グドンとツインテール。

樋口 特にツインテールは欲しい。

でもヒーローに比べると怪獣の商品化が少ないですね。皆さん、怪獣も買わなきゃダメです!怪獣の火が消えてしまうよ。

原口 僕はベロクロンとか欲しいね。

樋口 超獣いいですねぇ。カメレキングとかバキシムとか。
原価がもの凄くかかりそうなヤツを(笑)。

そのタイミングでTV版プロポーションのエースを出せば完璧です。 第1話のスーツに切れ込みが入ったヤツもいいですね(笑)。

魂の骨格 第42回 「ウルトラマンの日」記念特別対談 樋口真嗣 × 原口智生 ULTRA-ACTを語る

◎ 今回、2012年7月10日より公開の「特撮博物館」についてもお話を伺いました
(取材内容は2012年6月22日時点)

樋口 色々なところにあった当時の撮影物がどんどん無くなっていて、それをなんとか保存したいと考えたのがこの企画の始まりでした。とは言ってもほとんどがボロボロになってまして、それを修復してくれているのが原口さんなんです。

キャラクター寄りと言うよりは特撮美術の資料としてお見せしています。作品を知る人が見れば感動するでしょうし、知らない人が見ても「DVDを借りて観なきゃ!」って思いますよ。来場した人が特撮やミニチュアが好きになるような展示を目指しています。

原口 自分は小さい頃から撮影所に出入りしていて、そこで不用になった撮影用のミニチュアをもらい、そうして手に入れた物を人生の余暇を使って復元しています。今回のMJ号もその中の一つであって、そもそも展示用に直していたものではありませんでした。ところが去年の震災で工場がつぶれてしまい、作業の続行が難しくなったんです。そんなとき庵野秀明さんが展覧会という形で肩を押してくれました。

──今回の大きな見所のひとつ" MJ号 "の修復にはどれくらい費やしたのでしょう?

原口 実作業で数えると一年はかかってないです。欠落したパーツをゴジラなどの昭和特撮で使われた東京タワーの模型を手がけた板金屋さんに作っていただいたりとか、そのように色々な方々に協力いただいてようやく完成にこぎ着けました。

今の若い世代は『マイティジャック』をご存じないと思いますが、3メートル近いミニチュアを見てくれれば何かが伝わると思います。ミニチュアとか怪獣やウルトラマンの着ぐるみって、本来は映像を撮ってしまえば役目を終える物なんです。でも、これらは昭和の特撮がどのように映像を撮っていたかを知る証拠で、僕や樋口っちゃんの先輩達が作り上げた昭和特撮の資料なんですよ。

それはこの「ULTRA-ACT」もある意味同じです。担当者は当時の資料を基に手や頭を使って開発されたわけですから。たとえ世の中から「こんな物いらない!」って言われても、僕はこの復元作業を続けますよ。樋口っちゃんや庵野さんもミニチュアが好きだし、僕達が影響を受けた先輩達の仕事を皆さんにも見てもらいたいので。

■ 館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技
開催期間:2012年7月10日(火) ~ 10月8日(月・祝)
開館時間:10:00 ~ 18:00 (入場は閉館の30分前まで)
会場:東京都現代美術館(東京都江東区)
魂の骨格 第42回 「ウルトラマンの日」記念特別対談 樋口真嗣 × 原口智生 ULTRA-ACTを語る
「ULTRA-ACTには、特にツインテールは欲しい。皆さん、怪獣も買わなきゃダメです!
怪獣の火が消えてしまうよ」(樋口)
「いいよね、ツインテール。僕はベロクロンとか欲しいね」(原口)

(渋谷・円谷プロ社屋にて)
樋口真嗣 (ひぐち しんじ)
1965年生まれ

映画監督、特技監督。平成ガメラ三部作の特撮監督や『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』など特撮とアニメ作品の双方で活躍。主な監督作品は『ローレライ』(2005)、『日本沈没』(2007)、『MM9』(2010)など。最新作『のぼうの城』は2012年11月公開。原口監督の『ミカドロイド』(1991)、『さくや妖怪伝』(2000)では特技監督を務めた。
樋口真嗣 (ひぐち しんじ)
原口智生 (はらぐち ともお)
1960年生まれ

映画監督、東京芸術大学院映像研究科 特別講師。主な監督作品は『ミカドロイド』(1991)、『さくや妖怪伝』(2000)、『ウルトラマンメビウス』(2006)、『ウクレレ PAITITI THE MOVIE』(2010)、『デスカッパ』(2010)。樋口氏が特撮監督を務める平成ガメラシリーズでは怪獣造型を担当した。
原口智生 (はらぐち ともお)

ULTRA-ACT ウルトラマン ULTRA-ACT
ウルトラマン


価格(税込):3,360円
発売日: 2012年07月27日
対象:15才~


ULTRA-ACT [ ULTRA-ACT ]
ULTRA-ACTとは、ウルトラマンのデザインを最大限考慮した可動機構により、各キャラクターの理想的体型(ACTOR)と高いアクション性(ACTION)を両立させたアクションフィギュアの新シリーズです。

Please rate this page.

Was this article helpful to you?

Comment

* Feedback is limited to 100 characters in length.
* This form does not link to customer service and you will not receive a reply.