S.H.Figuartsのリングに『キン肉マン』シリーズが参戦！　1月24日の第１弾発売に先駆け、新日本プロレスの棚橋弘至選手に一足先に触ってい ただいた。IWGPヘビー級王者は必殺技（フィニッシュホールド）の再現とリアルな筋肉の造形を両立した新（ネオ）・格闘素体をどう評するのか？

－－「S.H.Figuarts キン肉マン」シリーズ第１弾として1月24日に発売するキン肉マンとウォーズマン、第２弾として６月に発売予定のロビンマスクの試作品をご覧になった感想はいかがですか？

【棚橋弘至選手】（以下、棚橋）　これは筋肉に見惚れますね！　大腿四頭筋の形とか肩の筋の入りかたとかがそれぞれ違っているのがすごいですよ。一見すると同じように見えてもロビンマスクの腕は他と比べてややシャープになっていたり、ウォーズマンはキン肉マンたちより腹斜筋が細くなったりしているんですね。

－－プロレスラーのかたならではの目に付けどころですね。従来のフィギュアだとボディを共通にする場合が多いのですが、このシリーズではキャラクターのイメージにあった筋肉や可動範囲が個別のものになっているんです。

【棚橋】　まさしく「100年に１体の逸材」という感じですね！……まぁフィギュアだから１体だけじゃなく、たくさん量産するんですけどね（笑）。

－－『キン肉マン』ではどんな超人がお好きですか？

【棚橋】　好きなキャラはロビンマスク、ウォーズマン、バッファローマンですね。あとケビンマスクに似てるとよく言われます。子供のころは授業中のノートとかに、しょっちゅうキン肉マンのイラストを書いていました。いまでも正義超人はほとんど描けますし、ロビンマスクだったら「ささっ」と描けちゃいますよ。

－－もし棚橋選手が『キン肉マン』の世界に参戦したら、戦ってみたい超人はいますか？

【棚橋】　僕はキン肉マンの対戦カードでもプロレスの対戦カードでも、キン肉マンのような選手が大型の選手と戦うのが好きなんですよ。だから魔雲天とかサンシャインのように「どうやっても勝てないだろう？」と思うような相手と対戦してみたいですね。

－－『キン肉マン』ではテリーマンが大型選手と戦うことが多いですが、棚橋選手もテリーマンもテキサスクローバーホールドの使い手ですね。

【棚橋】　不思議とそういう共通点がありますね（笑）。でも自分が超人になるとしたら、デカい筋肉のキン肉マン・ビッグボディやバッファローマンの分厚い体に憧れます。

－－もし棚橋選手が超人だったら、やってみたい技はありますか？

【棚橋】　超人ならではのジャンプ力が必要な技がやりたいですね。『キン肉マン』に出てくる技じゃないんですが「空中で相手にスリング・ブレイドを決めてたたき落とし、そのまま上空からハイフライフロー」なんていう棚橋オリジナル技がいいですね。こんな感じに（実際にフィギュアで再現しながら）……、空中で左腕を支点にしてまわりながらラリアットを打ってスリングブレイド！　そのまま一回屈伸してからの～ 、ハイ・フライ！　おぉ～ 、このフィギュアは背中がすごく反れますね。僕もこれくらい反りたいですね！

－－『キン肉マン』に出てくる技は、かけられる側の可動も必要なので、背中の反りなどが重要になってくるんです。

【棚橋】　僕が持っている他のフィギュアとと比べても可動域が格段に違いますね。

－－フィギュアの扱いが手慣れていますね。ふだんもフィギュアを使って技のイメージトレーニングなどをされるのでしょうか？

【棚橋】　さすがに、それはないです（笑）。そういえばキン肉バスターなどの『キン肉マン』の技を実際に使っている選手が何人かいるんですが、以前ゆでたまご先生が「実現不可能な技を考えても現実でプロレスラーがその技を使ってしまうから、最近は絶対に真似できないようにSFや宇宙的な発想で技を考えている」と言っていました（笑）。

－－『仮面ライダー』シリーズのフィギュアを持っていらっしゃるそうですが、フィギュアを集めたりもしているんでしょうか？

【棚橋】　はい集めてます。最近は棚がいっぱいになってきたほどですよ。僕は平成ライダーが好きで、リング上でも決めセリフやパフォーマンスに取り入れているんです。最近では「ひとっ走り付合えよ！」や「トップギアだぜ！」と言っていますし、『仮面ライダー ウィザード』が放送していたころに「俺がプロレス界の最後の希望だ！」と言ったら、元ネタを知らないプロレスファンの皆さんからは「棚橋はいいことを言うなぁ」と言われたこともありました（笑）。他にも試合後はリングを清めるために、リング上で「雷電激震」をイメージしたエアギターパフォーマンスをやったりしているんですが、プロレスファンと『仮面ライダー』ファンはファン層が違うからか、あまり元ネタをわかってくれませんね（笑）。これを読んだ『仮面ライダー』ファンやフィギュアファンの方々が、プロレスにも興味を持って会場に来てくれたら嬉しいですね。

－－今後この「S.H.Figuarts キン肉マン」 シリーズで商品化してほしい超人があれば教えてください。

【棚橋】　コレクター魂をくすぐる意味では「王位争奪戦」に登場したキン肉マン・スーパー・フェニックスやキン肉マン・ソルジャーたち運命の王子を並べたいですね。それから、ケビンマスクをロビンマスクの隣に並べて飾りたいです。

－－『キン肉マン』のエピソードで好きなのも、やはり「王位争奪戦」シリーズなのでしょうか？

【棚橋】　「王位争奪戦」も好きですけど、一番印象に残っているシーンは「七人の悪魔超人」シリーズのラストでバッファローマンが鉄柱に貫かれるシーンですね。悪魔超人だったバッファローマンが最後の命を正義超人たちに分け与えるところは、道徳的なメッセージも込められていて子供心に衝撃的でした。

－－もしこのS.H.Figuartsで棚橋選手のフィギュアが出るなら、どういうフィギュアにして欲しいですか？

【棚橋】　プロレスのフィギュアはざっくりと作られてしまうことが多いので、この『キン肉マン』シリーズのようなリアルでカッコいいフィギュアが発売したら孫の代まで自慢できますね。そのときは肩を大きく作ったりウエストを細くして、フィギュアらしくディフォルメして欲しいですね。

－－ご自身以外の実在のプロレスラーでフィギュアになったらいいと思う選手は誰ですか？
【棚橋】　そうですね～、藤波さんと武藤さんを棚橋と一緒に並べたいですね。正統派・新日本プロレスの系譜としてね。ライガーさんは上半身が大きくて厚みのある、かなり面白いフィギュアになるんじゃないかと思います。

－－最後にシメの言葉を

【棚橋】　実際にプロレスが好きな人だったら何時間でも触っていられるフィギュアだと思います。そういう楽しさは可動域の広さが実現させていると思いますし、一つ一つの筋肉が美しいことにも見惚れてしまうんじゃないでしょうか。これこそフィギュア界に新風を吹き込む革命的フィギュアだと思いますよ。まさに百年に一体のフィギュア！　S.H.Figuarts、愛してま～ す!!

可動と造形を両立させたS.H.Figuarts『キン肉マン』シリーズ。今回はNEVER無差別級王者でチェーンがトレードマークという側面と、スイーツをこよなく愛する「スイーツ真壁」の側面を両立させている、新日本プロレスの真壁刀義選手に登場いただき、新発売となる『キン肉マン』シリーズを味わっていただいた！

－－今月、「S.H.Figuarts キン肉マン」シリーズとして、このようなフィギュアが発売になります。

【真壁刀義選手】（以下、真壁）　すんごいね～ コレ！　ウォーズマンはベアークローがちゃんと鋭いのがいいし、ヘルメットがしっかり作られているのがすごくいいね。頭をつけかえてウォーズマンスマイルにもできるの？　コレはヤバイよ！　キン肉マンもかっこいいね、当時のマンガだとキン肉マンはもう少し体脂肪がのっていたけど、このフィギュアは今ふうのアスリート体型になってる。それでこの2体を組み合わせると……こうなるワケか!?　ドラゴンスープレックスもできるなんてすごいね、この技は僕がビッグマッチだけで出す奥の手なんですよ。　

－－「S.H.Figuarts キン肉マン」シリーズはフィギュアファンだけではなく、プロレスファンの方にも満足いただけるようなフィギュアになっています。

【真壁】　背中もすごく反れるし、手首や足首の細かい部分も動くなんてすばらしいよ。指も動くからブロッケンJr.のブレーンクローもできるよね。40歳前後の大人が酒を飲みながら熱く語れるというのは、『プロレス』も『キン肉マン』も同じ。このフィギュアが『プロレス』ファンと『キン肉マン』ファンの橋渡しになるように、世間に伝えていきたいですよ。

－－『キン肉マン』で好きなエピソードを教えてください。

【真壁】　キン肉マンの分岐点であるハワイ修行編だな。ジェシー・メイビアにやられてから、カメハメとの修行を経て変ってゆくからね。それまではコメディータッチのキャラクターだったのが、そこから格闘家に変ってゆく姿をみたときに「コレだ！」と思ったんだよ。小学校のころお年玉で『キン肉マン』の単行本を買ったんだけど、そのころは金曜夜８時に『ワールドプロレスリング』が放送されてたころでプロレスブームのまっただ中。『キン肉マン』を読んだら「なにコレ!?　面白れぇな！」と思って夢中で買い集めていったんだよ。そのころから強さへの憧れが強くなったんだと思う。

－－真壁選手はデスマッチも辞さないファイトスタイルですが、『キン肉マン』の世界に入ったら、正義超人と悪魔超人のどちらの側につきますか？

【真壁】　すごい質問するね（笑）。僕はバッファローマンのように悪の生まれでありながら正義側で戦いたいね。僕もいまから４年くらい前までは悪の限りを尽くしてきたんですよ、対戦相手をボコボコにして相手を大流血に追い込んで、忌み嫌われるようなレスラーだったんです。ところが悪仲間から人気を妬まれて裏切られ、今は正義側で戦うようになったからバッファローマンに共感するよ。プロレスラーの中には口では良いことを言うけど本性は悪い奴がいる。僕はそういう奴を試合で鉄拳制裁してやるんです。

－－『キン肉マン』の超人の中で対戦したいのは誰ですか？

【真壁】　ベンキマンあたりなら３分で倒してやるよ！　でも、ウォーズマンたちトップ級の超人とやるなら命がけの試合になるだろうね。だってベアークローってプロレスだったら反則だもんね（笑）。

－－もし真壁選手が超人の技をやるなら、やりたい技はありますか？

【真壁】　僕のキングコング・ニードロップは悪魔将軍の地獄の断頭台がイメージなんですよ。相手を空に投げてから決めることはできないけど、当時パートナーだった矢野通がバックブリーカーで担いだ相手の首に、トップロープから膝を入れる。まさに地獄の断頭台！　この技が決まれば「The END！」という、完全無比の技ですよ。超人のように飛べるならキン肉ドライバーをムカつく先輩に決めてやりたいよね。

－－もしS.H.Figuartsで真壁選手のフィギュアが出るとしたら、どういう部分にこだわって欲しいですか？
　
【真壁】　ツラ（顔）ですね。一目見て「コイツおっかねぇなぁ！」と思われるような顔で作ってもらいたいですね。それからチェーンは必ず付けて欲しい！

－－真壁選手以外のレスラーでフィギュアにするなら誰がおすすめですか？

【真壁】　天性のプロレスラーと言うべき存在の天山広吉ですね。あの人は生身の人間なのに４頭身しかないんだよ（笑）。……俺の大先輩なんだけどさぁ（笑）。でもああいうプロレスラーらしい選手っていうのは、いま少ないからね。棚橋なんかも俺や天山をみならって、人気にあぐらをかかずにもっと個性を出すべきだと思うんだよ。

－－インタビュー中にもフィギュアで遊んでいただいていましたが、遊んでみた感想はどうですか？

【真壁】　こういうおもちゃ……フィギュアっていうのかな？　僕自身はあまり集めていないんですけど、それでも今まで見たことのあるフィギュアと比べて良く動くのはわかります。実際に触ってみると技をかけれる、そしてかけられるという人間らしい動きができるのがすごいよ。昔、2体のキン消しをあわせて技をかけられるやつってありましたよね。でも形が決まっているから１つの技しかできなかったですからね。だからこのフィギュアはベリーグッドですよ！

－－まさしくそれがこの「S.H.Figuarts キン肉マン」シリーズのコンセプトなんです。当時キン消しでできなかったことを可能にするために、とにかく技を掛け合えるようなフィギュアにしたかったんですよ。

【真壁】　すばらしいね、肩が前に出るから「肉のカーテン」で防御するキン肉マンとウォーズマンの攻防が再現できるもん。……ウォーズマンがキン肉マンの肩に乗ってエルボースタンプをするシーンも再現できるじゃない！　いや、ホントにスゴいね！

－－今後このS.H.Figuarts『キン肉マン』シリーズで発売してほしい超人はだれですか？

【真壁】　そりゃバッファローマンでしょ！　バッファローマンはハリケーンミキサーで相手をブッ飛ばしたり、色んな遊び方ができますよ！　　文句無しでそれしかないでしょ！

－－「スイーツ真壁」的に「S.H.Figuarts キン肉マン」シリーズをスイーツに例えると？

【真壁】　誰にでも喜ばれる商品ということでいえば「イチゴショート」ですよ！　イチゴショートは、期待を裏切らない味でしょ？　このフィギュアはまさに期待を裏切らないクオリティー。でもイチゴの赤い部分は、キン肉マン対ウォーズマンの流血の赤だから、血なまぐさいショートケーキかもしれないけどね。……俺、上手いこと言うよね（笑）？

 くわしい商品情報はこちら！　S.H.Figuarts キン肉マンシリーズ　スペシャルサイト

■プロフィール
棚橋弘至（たなはし・ひろし）
1976年11月13日生まれ。岐阜県出身。得意技はハイフライフロー、スリングブレイド、ドラゴンスープレックス、テキサスクローバーホールドなど。
1999年10月10日、後楽園ホールにおける真壁伸也(現:刀義)戦でデビューを果たす。2003年3月には「U－30(30歳以下限定王座)」で初代U-30王者に、第44代IWGPタッグ王者（パートナー・吉江豊）、第7代GHCタッグ王者（パートナー・永田裕志）、「NEW JAPAN CUP」第1回大会優勝など数々の栄冠に輝き、2005年7月にはIWGPヘビー級第45代王者となる。その後も度重なるIWGPヘビー級王座戴冠を果たし、2014年10月には第61代IWGPヘビー級王者に返り咲いた。

真壁刀義（まかべ・とうぎ）
1972年9月29日生まれ。神奈川県出身。得意技はキングコングニードロップ、ラリアット、ノーザンライトスープレックス、スパイダージャーマン、チェーン攻撃など。
1997年2月15日、神奈川県大和体育館における大谷晋二郎戦でデビュー。1998年10月に先輩である吉江豊を破りシングル初白星を飾った。2001年８月よりイギリスやプエルトリコへの海外武者修行に出発、イギリスでは英連邦インターコンチネンタル王座を獲得。2002年に凱旋帰国後は、KAIENTAI DOJOやアパッチプロレス軍、ZERO1-MAXなど他団体でも暴れ回った。2009年に「G1 CLIMAX」初制覇、翌2010年には第54代IWGPヘビー級王者に輝く。また本年１月４日には『WRESTLE KINGDOM 9 in 東京ドーム』にてNEVER無差別級王者となった。