MS開発秘録

MS-06Z サイコミュ試験用ザク

MS開発秘録

MS-06Z サイコミュ試験用ザク

FILE No.015

MS-06Z サイコミュ試験用ザク

MS-06Z サイコミュ試験用ザク
MULTI
VIEW

大戦後期におけるジオンの機動兵器では、地上、宇宙を問わず戦術内容に合わせて特化させたものが顕著である。戦線の拡大に合わせてモビルスーツの汎用性に重点を置くことはもはや必要とされず、代わって着目されたのはモビルスーツ部隊に帯同して作戦行動の主軸となる、艦隊戦規模で使用される大型火器を搭載した重機動兵器 モビルアーマーの開発であった。開発承認記号はモビルスーツのMSに対してあらたにMAの略称を用いることで差別化が図られた。そしてこれらのモビルアーマー開発に並行して異色の立ち位置となっていたのが、脳波誘導兵器サイコミュを搭載する試作機開発計画であった。
「ニュータイプ」と呼ばれる特殊感応能力を持つパイロットの発掘・育成を目指したジオン総軍本部は、旧態における電子兵器戦に匹敵する戦術の導入を目し、中でもモビルスーツに搭載する計画案はMS-16Xとして通案され、モビルスーツの集大成となるべくジオングの通用呼称が先行してつけられていた。実際にはサイコミュ搭載兵器には3種類の運用形態が計画母機として用意されている。ひとつが中型戦闘機(機体は後にMA-06ヴァル・ヴァロに転用)、そして追ってMAN-03ブラウ・ブロからMAN-08エルメスへと結実することになる大型戦闘機、最後にMS-16Xモビルスーツ型開発母機としてMS-06F型をベースに製作されたのがMS-06Zの開発承認番号を持つ本機である。MS-16X計画の設計案では通常型モビルスーツの2倍以上もある40m級の大型機となるため、このZ型は計画案のダウンスケール機として開発が進められた。サイコミュ・システムは総軍管理下にあり開発計画に合わせて各軍に貸与されている。本計画にはビショップ計画のコードネームが与えられ、総帥直轄となる本国防空本隊管理下で同隊所属誘導兵器開発部のZ型実験部隊は、グラナダからザンジバル級実験母艦レムリア(護衛艦として補給装備を加えたムサイ級巡洋艦が随行)でコレヒドール暗礁宙域に移送されてテストが行われた。MS-16X用に製作された有線誘導式ビーム砲を搭載した1、3号機と、腕部を通常の06型サイズで試作した2号機が用意された(ただしこの機体はビーム砲の小型化による出力系統のトラブルで破損事故が頻発したため、後に1、3号機と同仕様に改装されている)。サイコミュ・システム搭載母機としては小柄な機体ながら合計推力は388tに達し、高速機動下での運用実験が繰り返された。しかし燃料消費量が大きいため、作戦行動時間は約10分程度と短く(選定されたパイロットの能力不足から要求値を満たせず、充分な機動操作が行えなかったとも伝えられる)、試作実験機の域は出なかったと思われる。戦闘宙域であるコレヒドールでの運用試験のため各機には実戦用の暗緑色迷彩が施されており、機体各部にはそれぞれ機番が表記されていた。

※本企画の構成、テキストは当時MSVの設定考証企画に参画していた小田雅弘氏の協力をもとにROBOT魂 ver. A.N.I.M.E.用に書き起こしたものです。公式設定とは異なる場合がありますのでご了承ください。

※本企画の構成、テキストは当時MSVの設定考証企画に参画していた小田雅弘氏の協力をもとにROBOT魂 ver. A.N.I.M.E.用に書き起こしたものです。公式設定とは異なる場合がありますのでご了承ください。

Product Tree

※画像はイメージです。実際の商品とは異なる場合がございます。

※画像はイメージです。実際の商品とは異なる場合がございます。

MULTI
VIEW