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魂の骨格 S.H.MonsterArts ガメラ(1996) 発売記念 原口智生 × 若狭新一 スペシャルインタビュー

S.H.MonsterArts ガメラ(1996) 発売記念
原口智生 × 若狭新一 スペシャルインタビュー

今年、2015年は「ガメラシリーズ」の生誕50周年。そして「平成ガメラシリーズ」の20周年という記念すべき年にあたる。「怪獣映画」というジャンルにおけるエポックメイキングなシリーズとして、今なお人気の高い「平成ガメラシリーズ」。その第2作『ガメラ2 レギオン襲来』(1996)のガメラが、いよいよS.H.MonsterArtsのラインナップに加わることになった。そこで同作の怪獣造型に関わり、今回のガメラ原型も担当されることになった若狭新一氏と原口智生氏をお迎えし、映画の製作時から今回の原型製作にまつわるお話まで、存分に語っていただいた。

――まず、今回のおふたりの具体的な作業内容からお聞きしたいのですが。

若狭:僕は以前、何度かこのS.H.MonsterArtsの原型をやらせていただいていますが、その流れで今回のガメラのお話をいただきました。そこで僕が窓口になって、原型を原口くん、高濱(幹)くんにお願いすることにしました。その後、製作過程のいろいろなチェック等もしていますし、樋口(真嗣)さんに監修をしてもらったりというのをやっています。

原口:その高濱くんというのは、僕の下で、平成ガメラすべての造型に関わったスタッフです。すべてのガメラに関わったのは、僕を除けば彼だけですね。だから今回、僕は監修という立場で、実作業は高濱くんにお任せという形にしました。

若狭:映画の時も、ボディは高濱くんが全部やっているんですよね。顔の粘土原型は原口くんが作っていますけど。

原口:だから今回も彼に任せておけば間違いないだろうと。しかも彼はガメラというキャラクターが好きなんですよ。ゴジラよりもガメラ派という人間なんです。本物のカメも大好きで。
ガメラって意外と顔が難しいんです。4作で全部顔も違いますしね。特にこの『ガメラ2』のガメラは、どちらかというとトカゲに近いイメージを持っていますが、カメらしさも残しているという難しいキャラクターなんです。でも雰囲気はちゃんと再現していますし、やはり彼に任せて間違いなかったと思いました。『ガメラ3』になると、またガラリとイメージが変わってしまうので、僕らの中ではこのガメラが平成ガメラのスタンダードタイプなんです。

   

――実際の製品を見て、いかがですか?

原口:いや、ただすごいのひと言です。これだけ可動箇所があるというのもこのシリーズならではですね。たとえば尻尾がこんなに動くというのは、着ぐるみではできなかったことですから。尻尾が自由に動かせて、ポージングも自在にできる。それがこのアイテムの醍醐味でしょう。
あと、着ぐるみの頭は左右にしか動かなかったんですが、このフィギュアは上下左右にも動きます。こうやってグリグリと動かすと、まさにカメの首って感じです。

若狭:着ぐるみよりも可動範囲が多い。それがこのシリーズの良さですからね。それに今回はパーツの付け替えで飛行形態にもなるというのが、このフィギュアの特性にマッチしていますね。着ぐるみだとそうはいきません(笑)。どうしたって別に作らないといけませんから。



原口:あの飛行形態は、実は第1作『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995)の時からプランがあったんですが、昭和のガメラとイメージが違うというので一度オミットされたんです。それが『ガメラ2』の時にようやく日の目を見た。あの独特の飛行形態が再現できるというのが、『ガメラ2』からスタートする理由のひとつでしょうね。もうひとつはもちろん必殺技ウルティメイト・プラズマの再現でしょうけど。実際の着ぐるみでも、あのギミックは複雑で、ちゃんとおなかのパーツには開く順番があったんです。

若狭:あれは操演やワイヤーを使っているの?

原口:いえ、油圧シリンダーで動かしてました。実際に作ってくれたのは、亀甲船の根岸(泉)さんという方です。でもあの複雑なギミックも(S.H.MonsterArtsで)ちゃんと再現されていますね。



若狭:そういう意味では、バンダイ技術陣はすごいですよね。僕らは無可動の原型を作るまでが仕事なので、その後の可動を入れるところはお任せするしかない。でもここまで完成度の高いものにしていただけるなら何も言うことはないですね。

原口:原型だけどんなにカッコ良く作ってもダメですからね。「可動」という要素が加わってもなおかつカッコ良くなければフィギュアとしては失格ですから。その点、このガメラは動かしてもカッコいい。感心したのは、アゴの開閉ですね。平成ガメラって、プラズマ火球を吐く関係で、まるでヘビのように大きく口が開くようになっているんですが、そのために下あごの支点の位置を上に持ってきているんです。そういう細かい部分もこのフィギュアはちゃんと再現していますね。だから口を開けても、カッコいい表情が作れる。


若狭:そのへんは高濱くんもちゃんと意識したんでしょう。このシリーズの良さは、ベストのポーズ、表情がきちんと保持できるということですから。
これだけ動いて、ギミックもついてという意味では、やはりこの『ガメラ2』のガメラからスタートしたのは良かったんでしょうね。比べると、第1作のガメラはちょっと地味かな(笑)。もちろん、ゆくゆくは平成ガメラ全4体の商品化も考えられているんでしょうが。

原口:『ガメラ3』は、前2作と世界観が大きく変わったこともあって、ガメラの着ぐるみも完全に作り直しているんです。だから前よりも大きくなっていますし。もしこのシリーズで商品化されたら、甲羅が1枚1枚動くギミックがつくのかなあと楽しみです。

若狭:ファンとしては、ぜひ全4体を並べて飾りたいところでしょうね。もちろん、ギャオスやレギオンといった対戦怪獣も、ですが……。

原口:シリーズを続けるためにも、まずこのガメラは2個買いでしょう(笑)。

若狭:通常形態用と飛行形態用、ですね。

原口:飛行形態にするには、下半身のパーツをごっそりはずすことになるんですけど、そうすると、劇中、仙台で焼け焦げてしまったガメラも再現できるんじゃないかな(笑)。

――それではファンにメッセージをお願いします。

原口:どのアングルから見てもカッコ良く、隙がない。『ガメラ2』のフィギュアとしてはまさに決定版だと思います。これで決まりでしょう。

若狭:僕はとにかく、お任せした人の想いが形になり、それが原口くんも納得いくものになったのだとしたら、もう何も言うことはありません。やはり機械ではなく人が作るものですから。そうした人選から関わり、こうしたすばらしい形になった。それがとても嬉しいですね。

――最後に、このシリーズで出して欲しい怪獣があればお聞きしたいのですが。

原口:僕は2代目アンギラスですね。あとはメガロかな。

若狭:うーん、たくさんあり過ぎて、答えられません(笑)。

【プロフィール】

若狭新一(わかさ・しんいち)

若狭新一(わかさ・しんいち)
1960年、東京都生まれ。『仮面ライダー』などのアクションを担当していた大野剣友会在籍時に造型に興味を持ち、MONSTERS設立。数多くの作品でキャラクター造型や特殊メイクを担当する。参加作品に『ウルトラマン80』(1980)『アンドロメロス』(1983)『孔雀王』(1988)『ゴジラVSメカゴジラ』(1993)『ゴジラVSデストロイア』(1995)『ゴジラ2000ミレニアム』(1999)『ゴジラ ファイナルウォーズ』(2004)などがある。また『ガメラ2 レギオン襲来』では、兵隊レギオンの造型を担当した。


原口智生(はらぐち・ともお)

原口智生(はらぐち・ともお)
1960年、福岡県生まれ。大学時代に、若狭氏主宰のMONSTERSで怪獣造型の助手を担当。その後独学で特殊メイクや造型を学び、現在、数多くのテレビ、映画で特殊メイクやキャラクター造型、監督を担当。主な造型参加作品に『帝都物語』(1987)『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995)『座頭市』(2003)などがある。また監督作品として『さくや妖怪伝』(2000)『ウルトラマンメビウス』(2006)『ウルトラマンギンガ』(2013)など。2012年から開催されている「館長庵野秀明特撮博物館」では、展示コーディネイト、プロップ修復師を務めている。


S.H.MonsterArts ガメラ(1996)
S.H.MonsterArts
ガメラ(1996)


メーカー希望小売価格:
9,504円(税8%込)
発売日:2015年1月31日(土)


商品詳細はこちら

S.H.Figuarts S.H.MonsterArts
S.H.Figuartsで培われた、可動(アクション)フィギュアの技術を使用し、『怪獣(モンスター)』にフィーチャーしたアクションフィギュアシリーズ。それが『S.H.MonsterArts(エス・エイチ・モンスターアーツ)』である。

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